BMW 1シリーズ – 「1に始まり、1に終わる」BMWユーザーの新基準

BMWブランドのボトムレンジを担う1シリーズ。元は3シリーズコンパクトから名を変えたもので、小さいながらもBMWのキャッチフレーズ『駆け抜ける喜び』を体現するバランスに優れたFRスポーツでしたが、最近では同社で別ブランド展開しているミニをベースにした中国向けFFセダンが登場するなど、その存在意義が変わろうとしています。

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各代の概要と時代背景

始まりは3シリーズコンパクトから

かつて、BMW1500など比較的コンパクトな小型セダン、それを発展したBMW2002、通称『マルニ』などを擁していたBMWですが、いつしか小型セダンの3シリーズ、ミドルクラスセダンの5シリーズ、フラッグシップサルーンの7シリーズへと落ち着いていきました。

ラグジュアリークーペの6シリーズやスーパーカーのM1、ラグジュアリースポーツの8シリーズや小型スポーツのZ1といった実験的な亜種はあったものの、ライバルのメルセデス・ベンツより若々しいスポーツセダンを3つの基本シリーズで送り出す姿は不変だったのです。

しかし、いつしか大型化・高価格化の進んでいた3シリーズはボトムレンジとしては大きすぎ、3代目E36の時代に、先代E30のプラットフォームを使ってリアオーバーハングを短縮、コンパクトな3ドアハッチバック車のE36コンパクト(3シリーズコンパクト)を生み出します。

新たなボトムレンジを担う3シリーズコンパクトはヒット作となり、次の4代目E46の時代には旧型ではなくE46のプラットフォームを使ったコンパクトハッチバックとして定着しました。

もっとも3シリーズのファミリーとして存在したのはE46までで、次の代からは5代目E90となった3シリーズから分離、モデルコードもE87を基本に80系が与えられ、1シリーズとして独立しました。

総合概要:小さいながらもファンの求めるFRスポーツであり続けた1シリーズ

その成り立ちゆえに、3 / 5ドアハッチバック、2シリーズとして独立以前は2ドアクーペやカブリオレもラインナップしていた1シリーズは、小さいながらもバランスに優れたFRスポーツであり続けました。

大型化した3シリーズに取って代わるエントリーモデルであり、誰でも乗り回しやすいサイズ感でありながらしっかりBMWらしさを出していることから、BMWファンからは『BMWは1に始まり1に終わる』とまで言われる基本モデルだったのです。

つまり、最初のBMWとして、そして年を取り最後に選ぶBMWとしても最適な車として、ファンに認められ、愛される存在になりました。

ただし、最近の1シリーズは変わりつつあります。中国向けとはいえ、新たに開発された1シリーズセダンはBMWのコンパクトカーブランド、ミニをベースとしたFF車となりました。

ミニをベースとしたFFのBMWは他にもSUVの現行X1、ミニバンの2シリーズアクティブツアラー / グランツアラーが存在し、今や『BMWのFF車』は違和感なく受け入れられています。

1シリーズ全体がFF車になるのも間近いと言われており、『BMWとはエントリーモデルから大型サルーンまで極上のスポーツセダン』だった時代は終わりに近づき、FRの1シリーズを新車で買える日が終わるのも間近いかもしれません。

ハッチバック以外にクーペやカブリオレもあった、初代E87系(2004-2012)

2004年で3シリーズのラインナップから落ちた3シリーズコンパクトの後継として、日本でも2004年10月に1シリーズを発売。

当初発売されたのは5ドアハッチバックのE87のみで、2008年2月に2ドアクーペのE82、同3月に2ドアカブリオレのE88が追加されましたが、当時既に日本では国産車でも需要がなくなっていた3ドアハッチバック(E81)は最後まで正規輸入されませんでした。

この代までの1シリーズまではまだ排気量とグレードの数字がほぼ一致しており、116iが1.6リッター、120iが2リッターの直4自然吸気エンジン、130iが3リッター直6自然吸気エンジンでしたが、118iは2リッターエンジンの出力をやや落としたものです。

追加されたクーペの135iとなると、3リッター直6ターボエンジンとなっており、グレード名の数字は排気量というより「どの排気量相当のパワーを持つか」を表すようになっていきました。

日本で正規輸入販売されたのは全て右ハンドルで、ハッチバックの『130i Mスポーツ』とクーペの『135i』に6速MTも設定された以外は基本的に全車6ATで、2010年5月以降のクーペ135iのみ、7速DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)です。

国産車ではトヨタ・オーリス(初代)とほぼ同サイズの小型ハッチバック車ながら前後重量配分50:50と理想的なFRスポーツであり、クーペも3シリーズクーペ(後の4シリーズ)の小型版として、小さいのに300馬力オーバーのハイパワー版が用意されるなど魅力的でした。

なお、2010年5月を境にエンジンが一新されており、BMW Efficient Dynamics(エフィシェント・ダイナミクス)の理念に基づく最新技術を1シリーズ全車に採用し、環境性能を大きく向上させています。

代表スペックと中古車相場

BMW UF20 120i(5ドアハッチバック・E87) 2004年式
全長×全幅×全高(mm):4,240×1,750×1,430
ホイールベース(mm):2,660
車重(kg):1,370
エンジン:N46B20 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
排気量:1,995cc
最高出力:110kw(150馬力) / 6,200rpm
最大トルク:200N・m(20.4kgm) / 3,600rpm
乗車定員:5人
駆動方式:FR
ミッション:6AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)5リンク
中古車相場(各型全て):15.4万~298万円(各型含む)

2シリーズ独立でハッチバックのみとなった2代目F20系(2011-)

1シリーズはハッチバックのみ2011年9月に2代目へモデルチェンジ、クーペとカブリオレは2012年8月まで初代が併売された後、2シリーズとして独立したため、1シリーズはハッチバック専用車となりました。

先代に引き続き3ドアは日本で販売されず、5ドアのみで全車右ハンドル、ミッションはMTやDCTの設定はなくなり全車8AT。

M135i / M140i以外は同グレードにベーシック版のほか専用内外装の『スポーツ』および『スタイル』を設定した1グレード3タイプ制となり、後に『Mスポーツ』も追加されて4タイプとなります。

エンジンは当初136馬力(116i)と170馬力(120i)でチューニングの異なる同じ1.6リッター直4ツインスクロールターボ、および320馬力の3リッター直6ツインスクロールターボ(M135i)を搭載。

2015年5月に116iは118iへ名称変更した上で、同年8月以降は1.5リッター直3ツインスクルールターボ(136馬力)へ変更し、2016年11月に120iのエンジンも2リッター直4ツインスクロールターボ(184馬力)へ変更され、M135iも新型エンジンで340馬力へと強化されM140iと改名しました。

2016年5月には3シリーズコンパクト時代から通算しても日本仕様車では初めてのクリーンディーゼルエンジン搭載『118d』が追加、可変ジオメトリー・ターボと組みわせた直噴ディーゼルで低回転から大トルクを発揮する余裕の走りが魅力です。

代表スペックと中古車相場

BMW 1S20G 120i Mスポーツ(5ドアハッチバック・F20) 2018年式
全長×全幅×全高(mm):4,340×1,765×1,430
ホイールベース(mm):2,690
車重(kg):1,500
エンジン:N48B20A 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ
排気量:1,998cc
最高出力:135kw(184馬力) / 5,000rpm
最大トルク:270N・m(27.5kgm) / 1,350~4,600rpm
乗車定員:5人
駆動方式:FR
ミッション:8AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)5リンク
中古車相場(各型全て):48.9万~448万円(各型含む)

各代の新装備

初代

エントリーモデルで発売当初は288.8万円から購入できたとはいえ、BMWらしい装備を持っており、新装備としてはこのセグメントで初めてタイヤ空気圧警告システムを装備したほか、全車パンク時でもある程度の距離を走行可能なランフラットタイヤを装着。

時刻や燃費などありふれた情報だけでなく、次回点検時期や不具合箇所情報をドライバーに知らせるオンボードコンピューターディスプレイも装備されました。

走りの面でもトラクションコントロールや横滑り防止装置、電子制御デフロック、電子制御ブレーキコントロールなどが装備。

2010年5月の改良ではブレーキエネルギー回生システムや電動パワーステアリングも採用され、エンジンの負担を減らすことで環境性能を向上したほか、1.6リッターエンジンは新型の直噴リーンバーン(希薄燃焼)仕様となり高出力化と低燃費化を実現しています。

さらに135iクーペに採用された7速DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)は、2つのクラッチを使って駆動の切れ間なく素早い変速を可能とするセミAT(オートMT)です。

DCTは日本での渋滞などではギクシャクしてあまり向かず、現在は高性能版のMモデルなど限られたモデルにしか搭載されていませんが、この時期のBMWではM以外の上級グレードにも設定していました。

2代目

1シリーズはパワーユニットや駆動系が一新され、いわゆる『ダウンサイジングターボ化』によって先代と同じ排気量でも最大トルクは向上して余裕の走りを実現。

また、このクラスでは初めて8速ATを採用してきめ細かい変速制御を実現したことや、アイドリングストップ、ブレーキエネルギー回生システム、電動パワステとの組み合わせで、先代より燃費性能を大きく向上させています。

また、歩行者検知機能付きの衝突回避&衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報など安全運転支援装備をパッケージング化した『ドライビング・アシスト・パッケージ』を全車にオプション設定しました。

さらには最近国産車でも話題のコネクテッド・カー(双方向通信車)でも先んじており、『BMW SOSコール』や『BMWテレサービス』を一部グレードを除き標準装備。

LEDヘッドライトやスマートフォンと接続するハンズフリー装置、パーキング・サポート・パッケージやストップ&ゴー機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロールなど、利便性や快適性を高める装備も随時追加されています。

派生型

1シリーズMクーペ(Mモデル・日本未発売)

BMW車の高性能版を生み出す『BMW M』ブランドでは2シリーズの『M2』、3シリーズの『M3』など高性能モデルを生み出していますが、『M1』と呼ばれるモデルは作られていません。

かつて1970年代に開発されたミッドシップスーパーカー『M1』が存在するためとも言われますが、日本未発売ながら1シリーズにもMモデルは存在しました。

それが初代の1シリーズMクーペで、135iクーペをベースにより高性能な340馬力の3リッター直6ツインターボを搭載、前後ワイドトレッド化にサスペンションやブレーキもチューン、ルーフも軽量化されています。

2代目では『M135i』または『M140i』がMモデル相当ですが、1シリーズMクーペと比べるとやはり『M監修のスポーツグレード』に留まる印象です。

2シリーズ(クーペ/カブリオレ)

初代1シリーズに存在した2ドアクーペとカブリオレが2代目に移行した際、2シリーズとして独立しました。
これはBMW全体でシリーズ構成の見直しを行った結果で、同様に3シリーズクーペ/カブリオレは4シリーズに、5シリーズからも同じく6シリーズが生まれています。

独立後の2シリーズは大型化してしまう前、レースでM3が活躍していた頃の3シリーズクーペを思わせるモデルとして好評で、今やもっとも熱いBMWスポーツモデルです。

1シリーズセダン(F52・中国向け)

2017年に登場した中国向け小型4ドアセダンで、1.5リッター直列3気筒エンジンを横置きするFF車、ということからもわかるように、BMW保有ブランドとなって以降、既に3世代目となっているミニをベースとしています。

既にSUVやミニバンではミニをベースとしたFF / 4WD車が存在するBMWですが、セダンとしては初のFF車になりました。日本への導入予定はないようですが、どのみちいずれ1シリーズはFF化されそうです。

次期モデル大予想

3代目1シリーズは既に精力的に行動テストを行う姿が撮影されており、これまでの1シリーズと違って短いノーズ、大型化されたキャビン、スポーティ感を出すためかやや寝かされたテールゲートなどから、まず間違いなくFF車になると見られています。

比較するためか同行している車はVW(フォルクスワーゲン)のゴルフで、価格的にもサイズ的にもゴルフのライバルとなることを目指しているとなると、ボトムレンジの1.5リッターターボ車は相当安くなりそうです。
いわばBMWの大衆車化が進むわけですが、高級車路線は5シリーズや7シリーズ、大型ラグジュアリークーペの8シリーズに、スポーツ路線は新型トヨタ・スープラの兄弟車である新型Z4に任せて、BMWも大きく変わり、『ドイツ版トヨタ』を目指すのかもしれません。

そうなると量販車を担う1シリーズは重要となりますが、ブランド面ではさすがにVWと同格とはならず、アウディA3やメルセデス・ベンツAクラスがライバルとなりそうです。

もちろんベースとなるのはBMWミニで、1.5リッター直3ターボのほか、2リッター直4ターボ、同ディーゼルターボもラインナップされるでしょう。

最強バージョンのM140iも設定されるようで、2リッターターボは最高出力400馬力に達する見通しで、ライバルとなるゴルフRやメルセデスAMG・A45がそうであるように、フルタイム4WD車です。

ミッションはミニならば8AT、7速DCT、6速MTが準備されますが、BMWはそのブランドの性格からM140iのみライバルに合わせ7速DCTで、それ以外は全車8速ATになると予想されます。

ライバルがFFおよびFFベース4WDとなっていく中、FRは1シリーズの大きな個性ではありましたが、販売台数を確保して時代を乗り切るため、そしてハイブリッドやEV(電気自動車)といった電動化への対応には、スペース効率に優れたFF化は避けて通れません。

これも時代の流れで寂しさも感じますが、FFプレミアムコンパクトハッチバック化されたBMW1シリーズは、2019年中のデビューを目指し着々と開発進行中です。

あるいはその過程で、現在2シリーズとされている2列5人乗りの2シリーズアクティブツアラー、3列7人乗りの2シリーズグランツアラーも、実態に即して1シリーズに組み込まれる可能性も。

さらには、SUVのX1とはまた別に、1シリーズハッチバック、またはアクティブツアラーか新たなステーションワゴン / シューティングブレーク版をベースにしたクロスオーバー版の登場も予想され、1シリーズのラインナップは大拡充!と予想させていただきます。

FRコンパクトの1シリーズを新車で買いたい人は、かなり急いだほうが良さそうですね。

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