三菱 デリカD:5 – 新型登場近し!コレじゃないと!という固定客も多いミニバン

自動車には流行に乗っかってとにかくたくさん売り、短期間でフルモデルチェンジを繰り返す車もあれば、数は多くなくとも「この車じゃなきゃダメ」と買い替え続けるユーザーを一定数抱え、長く売り続けられる車もあります。三菱・デリカD:5は後者の典型的な例で、信頼性の高い走破力から根強いファンに支えられている、個性的なミニバンです。

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各代の概要と時代背景

総合概要:ミニバンでありながら常に武骨なタフギアを求められた、特異種

世のユーザーがミニバンに求める要素とは何でしょうか?

まずは広さ、乗り心地、実用性、使い勝手、そして可能なら余裕のある走行性能に、フル乗車でも全員が満足できる快適性と、全員分が乗る荷物に、経済性も加わり、さらに存在感ある外観をしていればなお良し、そんな感じです。

これは時代によって存在した車種や流行、技術によって多少はその度合いや優先度に差は出るものの、基本的には違いがありません。

家族持ちや友人知人を乗せるなら、ドライバーも含めた快適性が重視されないと不快なドライブを強いられますし、それほど同乗者がいないユーザー、あるいはいざという時乗車人数が多ければいい、というなら使い勝手や積載性も重視されます。

ただ、結果的には進化するに従ってどれも似たような車になってしまうのは仕方のないところですが、大多数のユーザーが喜ぶ『ツボ』にハマらないとアッという間に不人気車になってしまうので、どのメーカーでもライバルに対する差別化には悩むところです。

特に2000年代以降は乗降がしやすく車内高も広くとれる低床ミニバンが人気で、トヨタのアルファード/ヴェルファイアやノア3兄弟にシエンタ、日産のセレナ、ホンダのフリードが人気車種に並んでいるのはご存知の通り。

ただ、そうしたミニバン群の中にあってただ1台、『本格クロカン4WDとはいかないまでも、クロスオーバーSUVを超えた悪路走破性と、一目見てアウトドアに向いていそうなタフギアとわかる外観』を求められる車種があります。

それが現在の三菱・デリカD:5で、三菱の商用1BOX車ベースの乗用1BOXミニバンとして出発し、2代目~3代目の『デリカスターワゴン』、4代目『デリカスペースギア』で、ピックアップトラックやパジェロ並の悪路走破性とRV的な外観が大人気。

三菱の方も心得たもので、5代目『デリカD:5』はFFベースのミニバンとはなったものの、4WDモデルがこれまでと遜色ないタフギアなことを証明するためダカールラリーを走らせ完走させるなど、『頼りになるデリカ』のブランドイメージを大事にしてきました。

おかげでミニバンの中でも『デリカじゃなければダメ!』という根強い固定客をガッチリつかんでおり、流行とは全く関係なく『デリカであり続けることが大事』という、異色のミニバンです。

2016年にルノー・日産連合入りして単独開発車種がなくなると言われている三菱ですが、デリカD:5の次期型は2018年の登場が明言されており、『最後に単独開発された三菱車』の称号も得るかもしれません。

デリバリーカーゴからアウトドア時代を予見させるミニバンへ。初代T100C/120C系(1969-1976)

乗用ミニバンとしてのデリカは1969年4月、3列シート9人乗りの1BOXワゴン『デリカコーチ』として発売。
1968年7月に発売したデリカトラックの1BOX版として、商用1BOXバンの『デリカライトバン』『デリカルートバン』と同時発売でした。

マツダ・ボンゴ(初代発売1966年)、トヨタ・ハイエース(同1967年)など1BOXバン(最初にヒットした車種から、『ボンゴ形』と呼ばれた)や、その乗用ワゴンタイプが各社から続々と登場する中、三菱でも乗り遅れず登場しています。

最初は車重も1トンないような今から見れば小柄な車でしたが、当時クラス最強の58馬力を誇ったコルト1100用の1.1リッターエンジンを搭載しており、バンは同クラスライバルより最大積載量が2割多いくらいでしたから、コーチの9人乗りにも問題はありませんでした。

1971年11月のマイナーチェンジでは、ギャランクーペFTO用で86馬力を発揮する1.4リッターエンジンに拡大、デザイン変更を受け商用バンの最大積載量も500kgから600kgへとアップ(6人乗車時は300kg)したことから『デリカ75』へと改名。

デリカコーチは1974年11月に廉価版の1.2リッターモデル追加を経て1976年5月まで販売されましたが、需要のほとんどは施設の送迎用で個人向けの販売台数はそれほどでもなかったらしく、乗用のデリカコーチはそこで一旦廃止されました(バンは継続)。

2代目以降の乗用デリカと異なり、シート色など内外装がカラフルな事を除けば単に1BOXバンの3列シート9人乗り仕様という印象が強かったのですが、1972年にはライトバンをベースに開閉式ルーフゲートを持つハイルーフ版『デリカ75キャンピングバン』を発売。

大人4人、子供1人の就寝スペースを確保したこのモデルの追加で、後のアウトドアギアを思わせるキャラクター作りが既に始まっていたようにも思えます。

代表スペックと中古車相場

三菱 T120C デリカ 75コーチ・デラックス 1972年式
全長×全幅×全高(mm):3,860×1,540×1,795
ホイールベース(mm):2,120
車重(kg):990
エンジン:4G41 水冷直列4気筒OHV8バルブ
排気量:1,378cc
最高出力:63kw(86馬力) / 6,000rpm(グロス値)
最大トルク:115N・m(11.7kgm) / 4,000rpm(同上)
乗車定員:9人
駆動方式:FR
ミッション:コラム4MT
サスペンション形式:(F)ダブルウィッシュボーン・(R)半楕円リーフリジッド
中古車相場(各型全て):皆無

4WD追加で開花した初の『スターワゴン』、2代目L系(1979-1986)

初代末期に一旦廃止されていたデリカ乗用ワゴンが1979年6月の2代目デリカ登場と同時に復活、今度はサブネームを得て『デリカスターワゴン』となりました。

車体寸法は大幅に拡大されて全幅は5ナンバー枠一杯の1,695mmまで拡大、エンジンは当初1.6リッターガソリンエンジンを搭載し、駆動方式もまだ2WD(FR)のみです。

『スターワゴン』のスターとは星ではなく人気者や芸能人としてのスターで、『人気のワゴン』、『みんなに愛されるワゴン車』という意味。

1980年代に入るとRV(レクリエーショナル・ビークル)のブーム到来で乗用1BOXワゴン車が『新たな豪華乗用車』として注目されるようになり、デリカスターワゴンも1980年に1.8リッターエンジン車とハイルーフ仕様を、1981年には2列目回転対座シートを追加しました。

しかし、デリカスターワゴンがその『真価』を発揮しだしたのは、翌1982年です。この年、三菱ではピックアップトラックの『フォルテ』に追加設定(1980年)された4WD車をベースに、2台の画期的な4WD車を発売します。

1台は初代パジェロ、もう1台がデリカスターワゴン4WDで、デリカスターワゴン4WDは本格オフローダーと同じパートタイム4WDのパワートレーンを組んだラダーフレーム上にボディを載せた、『1BOXワゴン版パジェロ』だったのです。

ちなみに、デリカバンにも同じラダーフレームとパートタイム4WDを設定した『商用1BOXバン版パジェロ』たる、デリカバン4WDが同時に登場しており、そのような1BOXバンは今まで無かったため、後のトヨタ・メガクルーザー並の衝撃的な商用車でした。

通常のデリカスターワゴンよりはるかに高い最低地上高、フロントガードやスペアタイヤなどを装着した姿は1BOXミニバンというより『1BOXオフローダー』という形容がふさわしい姿で、RVブームにマッチした存在として大人気モデルに成長。

やがてRVブームが終了しても、かえってライバル不在の中『4WDで頼もしいデリカ』に対する指名買いに近い人気は衰えず、1984年2月パジェロ同様に追加された2.3リッターディーゼルターボによる低回転からの大トルクもファンを魅了します。

1985年10月にはこれも当時流行し始めていたスキー向けの特別仕様車『シャモニー』が初登場。現在に至るまでスキーはスノボなど別なウィンタースポーツに変わったものの、シャモニーは『デリカ恒例の冬季特別仕様車』として、毎年その内容が注目されるようになっていきます。

この2代目(初代スターワゴン)で、デリカはそのブランドのアイデンティティを完全に確立しました。ただ、2代目そのものはまだ『商用1BOXバンの乗用ワゴン版』としてのイメージが強く、バブル時代を迎えて日本中が大量消費に浮かれ金とモノが飛び交う中、さらなる魅力アップを図るため、歴代デリカの中ではもっと早く7年でモデルチェンジを迫られます。

代表スペックと中古車相場

三菱 L035GW デリカスターワゴン GLX 1982年式
全長×全幅×全高(mm):4,240×1,695×1,935
ホイールベース(mm):2,200
車重(kg):1,475
エンジン:G62B 水冷直列4気筒SOHC8バルブ
排気量:1,795cc
最高出力:74kw(100馬力) / 5,500rpm(グロス値)
最大トルク:147N・m(15.0kgm) / 3,500rpm(同上)
乗車定員:8人
駆動方式:パートタイム4WD
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F)ダブルウィッシュボーン・(R)半楕円リーフリジッド
中古車相場(各型全て):145万円

海外ではまだ生産中の2代目『スターワゴン』。3代目P系(1986-1999)

1986年6月にモデルチェンジを受け、3代目乗用デリカ『2代目デリカスターワゴン』へと代替りします。

フロントガードを備え、最低地上高は高く、高いフロアへ乗降するためスライドドア下にはサイドガードを兼ねるステップを備えた姿などは先代と共通イメージですが、より洗練されたデザインの軽量モノコックボディに2トーンカラーなど、よりRV色が強まりました。

2灯のフォグランプを並べたフロントガードは悪路走行時にフロント下を荒れた路面に打ち付けないガードを兼ね、短いリアオーバーハングや引き続きパジェロ譲りの4WDシステムと合わせ高い悪路走破性を誇ります。
その上で、本格オフローダーのパジェロのロングボディでもかなわぬ車内スペースの広さを誇ったのですから、多人数乗車での快適性も求めるアウトドア派にはたまりません。

しかも、4WDモデルには1989年にハイルーフ仕様、さらにルーフをガラス面で覆ったクリスタルライトルーフ仕様も登場。

1990年のビッグマイナーチェンジではさらに洗練されてもはや商用車色を見せないデザイン変更とクラス初のプロジェクターヘッドランプの採用、内装の上質感を高めた最上級仕様『スーパーエクシード』の追加で、バブル時代を象徴するような豪華ミニバンになります。

2.4リッターガソリンエンジンの追加(1989年6月)などガソリンエンジン仕様も充実しますが、人気があったのはやはり2.5リッターディーゼルターボで、『4WDディーゼルターボのオフロードミニバン・デリカスターワゴン』の人気は衰えることを知りませんでした。

そのため、1994年に後継車の4代目『デリカスペースギア』が発売されて以降も長らく併売され、1999年で日本向けモデルは生産終了しますが、在庫販売はその後も続きます。

海外でも需要が多かったため2013年まで国内生産は続き、台湾での生産は現在も続いているほどです。

4代目(デリカスペースギア)も人気は高かったものの、バブル時代のRVブーム真っ只中で大人気を誇った3代目(2代目デリカスターワゴン)のイメージは根強く、5代目(デリカD:5)はある意味、この3代目のリメイク版のようにも見えます。

代表スペックと中古車相場

三菱 P35W デリカスターワゴン エクシード クリスタルライトルーフ 1989年式
全長×全幅×全高(mm):4,460×1,695×2,090
ホイールベース(mm):2,240
車重(kg):1,810
エンジン:4D56 水冷直列4気筒ディーゼルSOHC8バルブ ターボ
排気量:2,476cc
最高出力:63kw(85馬力) / 4,200rpm
最大トルク:196N・m(20.0kgm) / 2,000rpm
乗車定員:7人
駆動方式:パートタイム4WD
ミッション:5MT
サスペンション形式:(F)ウィッシュボーン・(R)半楕円リーフリジッド
中古車相場(各型全て):33~168万円

まさにミニバン界のパジェロ『スペースギア』。4代目PA/PB/PC/PD/PE/PF系(1994-2007)

2代続いたデリカスターワゴン後継として、4代目乗用デリカ『デリカスペースギア』は1994年5月に発売。

それまでの乗用デリカが1BOX商用バンのデリカバンをベースにしていたのに対し、デリカスペースギアは本格オフローダーのパジェロをベースに3列シートミニバン化したもので、エンジン位置もキャブオーバー(運転席床下)ではなく、短いながらボンネット下になりました。

パジェロベースのため構造も共通で、ラダーフレームをモノコックボディに溶接した『ビルトインラダーフレーム』によって、悪路走行時でも歪まないタフなボディ剛性と、ボンネットを持つモノコックボディによる衝撃吸収ボディを両立しています。

エンジンは引き続き2.8リッターディーゼルターボが人気で、廉価版に2.5リッターディーゼルターボや2.4リッターガソリンエンジンもありましたが、その車高(最低地上高)の高さからくる存在感で、3リッターV6ガソリンエンジンを搭載する高級グレードも高い人気を誇りました。

サスペンションもパジェロ譲りでリアサスペンションは初代以来のリーフリジッドから5リンク式&コイルスプリングとなり、ミニバンとしては異例なことに、本格オフローダー同様に超大径タイヤを履いてリフトアップするドレスアップも存在します。

4WDはフルタイム式といってもパジェロ同様、舗装路での快適な走行と悪路での安定した装甲を両立したスーパーセレクト4WD。

こうした特徴から、オフロード仕様ミニバンというよりは、2018年時点でブームになりかけている『3列シートSUV』の一種と言えるかもしれません。

なお、4WD仕様のみならず2WD仕様もラインナップされ、ロングボディ仕様(駆動方式を問わず設定)では4列シート10人乗り仕様もあって、幼稚園などの送迎バスとしても使われています。

さらに、スターワゴン以来の特徴として5ナンバーサイズに収まる全幅1,695mmのボディながら特に4WDモデルでは最低地上高が高いため横転リスクなどが高かったのですが、ABSの装着拡大などで次第に安定していきました。

また、全幅がそれほど大きくないため、全高が許す範囲であれば、比較的狭い駐車場でも使えるのが、利用環境によっては非常に助かった点でもあります。

代表スペックと中古車相場

三菱 PF8W デリカスペースギア ロング スーパーエクシード クリスタルライトルーフ 1994年式
全長×全幅×全高(mm):5,085×1,695×2,070
ホイールベース(mm):3,000
車重(kg):2,170
エンジン:4M40 水冷直列4気筒SOHC8バルブ ICターボ
排気量:2,835cc
最高出力:92kw(125馬力) / 4,000rpm
最大トルク:294N・m(30.0kgm) / 2,000rpm
乗車定員:7人
駆動方式:フルタイム4WD
ミッション:4AT
サスペンション形式:(F)ウィッシュボーン・(R)5リンク
中古車相場(各型全て):12.9~169.8万円

FFベースとなってもやはりデリカ!初代『D:5』。5代目CV1/2/4/5系(2007-)

4代目乗用デリカ『スペースギア』に対する根強いファンからの人気は衰えることを知らなかったものの、さすがに構造的にもパワーユニットも古さは隠せず、2007年1月にフルモデルチェンジ。

5代目はまさに『デリカの5代目』を意味するサブネームがつけられ、『デリカD:5』となります。

ベース車がクロスオーバーSUVのアウトランダーに切り替わり、近代的なFFベース低床ミニバンとなったことで、デリカスペースギアまでの『タフなアウトドアギア』から変わってしまうという、ファンからの不安はありました。

しかし、アウトランダー自体もセンターデフロックも可能な電子制御4WDを持ち、FFベースクロスオーバーSUVとしては悪路走破性に優れていたことや、引き続き最低地上高の高いモデルを設定していたことで、懸念されたほどのイメージダウンにはなっていません。

ボディも一見すると他メーカー同様の低床1BOXタイプミニバンに近い形ですが、4つの環状骨格構造で補強された『リブボーンフレーム』を、さらに大型のアンダーフロア補強クロスメンバーも装着し、悪路走行時の安定と高い衝突安全性能を持っています。

この代からタフなイメージを持つ従来からのモデルと、全高こそ変わらないもののエアロパーツを装着して最低地上高を低く見せる舗装路向けモデル『ローデスト』を追加した上で、全席本革シート仕様の『ローデスト ロイヤルツーリング』も追加。

ただ、やはりファンがデリカD:5に期待するのはアウトドアやウィンタースポーツなどのイメージで、アウトドア・ギアの『アクティブギア』や冬季特別仕様車『シャモニー』、夏山向け特別仕様車『ジャスパー』などが引き続き設定されています。

さらに、2.4リッターおよび廉価版2リッターガソリンエンジンも設定されていますが、人気はやはり2.3リッターDOHC直噴ディーゼルターボで、構造やメカニズムがどれだけ変わろうとも、『デリカといえばオフローダーミニバン』というイメージは不変です。

実際、デビューから10年以上が経過した2018年になっても、大ヒット作とまでは言えないもののコンスタントに売れ続けており、他社から3列シートクロースオーバーSUVが増えてきたとはいえ、オフローダーミニバンとして直接のライバルは出てきません。

そのため、『デリカを好むユーザーが新車を買うとすれば、やはりデリカD:5』という状況は続いていて、スズキ・ジムニーなどと並び「他の車にしようにも代わりが見つからない車種」として、販売され続けています。

代表スペックと中古車相場

三菱 CV5W デリカD:5 Dプレミアム 2018年式
全長×全幅×全高(mm):4,790×1,795×1,870
ホイールベース(mm):2,850
車重(kg):1,910
エンジン:4N14 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ
排気量:2,267cc
最高出力:109kw(148馬力) / 3,500rpm
最大トルク:360N・m(36.7kgm) / 1,500~2,750rpm
乗車定員:8人
駆動方式:フルタイム4WD
ミッション:6AT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)マルチリンク
中古車相場(各型全て):24.8~498万円

各代の新装備

初代(デリカコーチ)

さすがに1960年代後半登場のモデルとあって、機能的な部分で初代『デリカコーチ』には新装備らしきものは見られません。

ただ、デリカシリーズ全体に言えることとして、曲面ガラスの採用、コラムシフトの採用によるフロント3人がけベンチシートなどは新しかった部分で、デリカコーチはこれにより各列3人ずつの3列シート9人乗りを実現しています。

2代目(初代デリカスターワゴン)

2代目は何といってもパジェロと同時期に発売された4WDで、パジェロと同じ機械式パートタイム4WD式で、2WD(後輪駆動)か4WDの切り替えが可能で、4WD時には副変速機でハイ/ロー切り替えを行い、軟弱地などはローレンジで走行を容易にしています。

単純ながら信頼性の高い4WDシステムを採用した1BOX乗用ワゴンでは初めての4WD車で、車体に合わせてやや長くした以外はパジェロと共通のラダーフレーム上にそのままデリカスターワゴンのボディを載せていました。

この構造のため、他社ライバルが後に追加した4WD車とは異なり副変速機が車体下面から大きく出っ張ることなく、実用性の高い最低地上高を得られた『真のオフロード1BOXワゴン』として唯一の存在になったのです。

さらには、ボディそのものは2WD車と同じだったので、最低地上高が上がった分だけタイヤハウスに余裕ができ、大径タイヤを履いただけでリフトアップ車のようになり、最低地上高はさらに上がるため悪路走破性はさらに増すというカスタムもありました。

他にこれも1BOX車初の5速MTを採用し、電動サンルーフ(ハイルーフ車)、2列目&3列目シートのフルリクライニング機構(1600XL-5など)や2列目の回転対座シート、2列目キャプテンシート、オートマを初設定。

4WD車のフロントガードにはオプションで電動ウインチも装備可能なほか、4WDのオプションとしてはほかにも2WD時の前輪とドライブシャフトを自動で切り離せる『オートマチックフリーホイールハブ』がありました。

また、ロングボディの4列シート10人乗り仕様と、その後のデリカでディーゼル人気の始まりとなる2.3リッターディーゼルが1982年10月の4WD設定時に同時追加、1984年2月には同ディーゼルターボも追加されています。

3代目(2代目デリカスターワゴン)

3代目はデザインのリファイン以外、メカニズムや装備面では2代目の延長ですが、4WD車はパジェロのパートタイム4WDパワートレーンを継承しつつ、ラダーフレーム上に載せていたボディから軽量なモノコックボディに変わり、欠点だった重量バランスの悪さを解消。

これによって最低地上高は低くなって先代ほどの迫力では無くなりましたが、2WD車よりも大径タイヤを履くことでいくらか補っています。

さらに新装備としてはの電動サンルーフを持つハイルーフ仕様へ多数のサンルーフを追加してガラスルーフ化、開放感と採光性を高めた『クリスタルライトルーフ』を新設定、スターワゴンの人気グレードとなりました。

側面の衝突安全性を高めるサイドインパクトビーム(1991年8月)、エアバッグ(1997年10月標準装備化)など、段階的に安全性を高める装備が追加されたほか、ロービームへのプロジェクターヘッドランプの採用(1990年8月)はクラス初でした。

RV色が強くなったことは内装にも現れ、パジェロなどに採用されて人気だった、高度計と傾斜計の2連メーターをインパネ中央上部に装備し、後に内外気温計が追加され3連メーター化、『1BOXワゴン版パジェロ』にふさわしい内装となります。

さらにクリスタルライトルーフ車では、車内灯が当時一般的だった小さくて暗いルームランプ球ではなく、何と蛍光灯を装備しており、いかにもバブル時代に流行った豪華仕様という趣でした。

4代目(デリカスペースギア)

パジェロベースでビルトインフレームを採用したオフロードミニバンとなった4代目では、パジェロでその性能が証明されていたスーパーセレクト4WDを採用。

これは通常の2WD(後輪駆動)、通常走行用のフルタイム4WD、4WDで悪路をソコソコの速度で走るセンターデフロック・ハイ、同じく泥濘地などゆっくりと着実に駆動をかけて乗り切るセンターデフロック・ローと4つのモードを1つのレバーで切り替え可能です。

同じ4WDでも通常走行ではフルタイム4WDと同じ高速での舗装路走行と、悪路ではパートタイム4WD並の駆動力発揮を両立する、先進的なシステムでした。

他には、学習モードつき電子制御オートマ『INVECS-II』(1997年6月)や、電子制御サスペンション、マルチモードABSも発設定。

さらに、2代目から設定されていたロングボディはこの代で全長5mを超える堂々たるサイズとなり、4列シート10人乗り仕様でも余裕があったほか、7人乗り仕様ではリムジン並の足元スペースや人数分の大荷物積載に大いに役立つ大きさでした。

5代目(デリカD:5)

環状骨格構造『リブボーンフレーム』や、デフロック機構も持つ電子制御4WDを初採用、近代的な低床ミニバンとしてのスペース確保と、クロスオーバーSUV以上本格オフローダー未満程度の悪路走行性能を確保したSUVミニバンになったのが5代目です。

電子制御4WDはそれまでの三菱自動車がラリーなどモータースポーツフィールドで培ってきた技術をフィードバックした、統合電子制御型の『AWC(All Wheel Control)』を搭載。

走行は燃費に優れた軽快な走りを実現する『2WD』、路面状況や走行条件に応じた前後駆動力配分を自動で行い、横風や急な濡れた路面でも安定する『4WDオート』、悪路や雪道、滑りやすい登坂路など悪条件の路面状況で強い『4WDロック』から選択します。

ドライブモードセレクターで3つのモードどれかを選ぶだけの簡単設定で、あとはコンピューター任せのイージードライブ。

さらに『ASC(アクティブスタビリティコントロール)』は、横滑りなど不安定な動きを検知すると、4輪のブレーキやエンジン、4WDの前後駆動力配分を統合制御して車体を安定させるほか、スリップしやすい路面でもスムーズに発進させるトラクションコントロールつきです。

ABSはもちろん、乗車人数や積載量に応じて前後のブレーキ配分を買えるEBD(電子制御制動力配分装置)もあるので、悪路走破性が生活4WD程度は期待できる並のミニバンやクロスオーバーSUVより、1ランク上の走破性と安全性を確保しています。

他にも急勾配の坂道発進でも、傾斜を感知してブレーキから足を離しても約2秒は後方へのずり下がりを抑制してくれる『ヒルスタートアシスト』や、コーナリング方向にヘッドライトを照射する『アクティブコーナリングライト』を初装備してイージードライブを実現。

ミッションはスポーツモード付き(廉価グレードを除く)で新しい『INVECS-II』6速AT(ディーゼル車)または『INVECS-III』6速CVT(ガソリンエンジン車)です。

時代の変化で安全運転支援装備も随時見直され、コーナーセンサー(2009年11月)、駐車時支援のマルチアラウンドモニター(2010年6月)、アクセルペダルと同時に踏んだらブレーキを優先するブレーキオーバーライド(2010年12月)などが追加されています。

ただし、最新の三菱車で装備されている、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報、アダプティブクルーズコントロールなどをまとめた安全運転支援パッケージ『e-Assist』はオプションでも設定されておらず、間もなく登場する次期型に期待です。

派生型

デリカ75キャンピングバン(初代デリカ75ライトバンベース)

9人乗れるだけのスペースを使えば、これまでにない付加価値が生まれる、と考えたようで、バンをベースにハイルーフ部分が後ろヒンジで前を大きく開ける『ポップアップルーフ』を備えていたのがキャンピングバンです。

普段は仕事用に、休日はキャンピングカーとして使うという提案で、ルーフ内の上段ベッドやハンモック、カーテンを標準装備したほか、オプションで下段(車内)用ベッド、キッチン台セット、ガスレンジなど、1台でオートキャンプをこなせる内容でした。

実際にそこまでキャンパー仕様にすると仕事に使えたかは疑問ですが、後に純正装備や特装車として数多く登場したポップアップローフ搭載ミニバンベースキャンピングカーの先駆けです。

デリカカーゴ(4代目『スペースギア』ベース)

1994年5月にデリカスペースギアと同時発売され、デリカスターワゴンが併売されていたのと同じく、商用モデルも3代目デリカバンと併売されています。

3代目までは『デリカバンがあって、その乗用ワゴン版がデリカコーチやデリカスターワゴン』という形で、乗用ワゴン自体がデリカバン派生車と言えました。

しかし、4代目バン『デリカカーゴ』に限って言えば『パジェロ派生車のデリカスペースギア派生の商用バン』と言えて、スペースギアのマイナーチェンジによるデザイン変更時にはデリカカーゴのデザインも変更されています。

ボディはスペースギアと共通で標準ボディとロングボディがあるのも同じ、4WDはスーパーセレクト4WDではなく従来からのパートタイム4WDで簡素化され、リアサスペンションがコイルスプリングではなく耐荷重性の強いリーフスプリングなのが違いでした。

ただ、短いボンネットを持つ1.5BOX商用バンは使い勝手の面で1BOX車に劣るため、トヨタ・レジアスバンや日産・バネットセレナバンなど他メーカーでも成功せず、デリカカーゴもスペースギアよりはるかに早い1999年、わずか5年で販売終了。

次期型はマツダからボンゴブローニイのOEMを受けましたが2010年7月までで終了、その間に併売されていたデリカバンはマツダ・ボンゴバンのOEMに切り替わった後、2011年10月以降は日産・NV200バネットのOEMに切り替わって現在に至ります。

『デリカなことを証明するため』ダカールラリーのサポートカーを務めたデリカD:5

いかに『パジェロのワゴン/ミニバン版』とはいえ、デリカスターワゴンやデリカスペースギアがラリーなどモータースポーツに参戦したことはありません。

そのための車種としてはパジェロやチャレンジャー、アウトランダーといった『本職』がいたので当然で、チャイナラリーにデリカカーゴ(スペースギアがベース)がサポートカーとして走ったくらいでした。

しかし、5代目デリカD:5ではFFベースSUVミニバンとなったことで、「もうこれまでのデリカのように、『頼れる奴』ではなくなったのではないか」というユーザーからの懸念を払拭する必要もあって、2007年のダカールラリーにサポートカーとして走行。

あくまで本戦で競うラリーマシンではありませんでしたが、過酷な道を長距離走りきり、しかもチームのマシンにトラブルがあれば救援に赴かなければいけないため、速さはともかく信頼性の面ではラリーマシン以上が求められます。

そのため、サポートカーがラリーカー並のチューニングを受けていることも珍しくないほどなのですが、デリカD:5はあえて安全装備以外はほとんどノーマルで走行し、見事に完走しました。

その時の模様はプロモーションビデオ用に撮影され、激しい悪路や急坂、険しい地形をものともせず走るデリカD:5の姿は、どんなセールストークよりも雄弁に『デリカD:5がデリカであること』を証明してみせたのです。

次期モデル大予想

2007年に発売されて11年、そろそろデリカスペースギアの13年にも迫るモデルライフを迎えている上に、ルノー・日産連合入りで三菱自動車の単独開発車種が今後なくなる(ルノー・日産のプラットフォームを使い共同開発へ移行)事から、D:5後継車の存在は不透明でした。

しかし、2018年3月にエクリプスクロスが発売された際、三菱自動車の益子 修 取締役CEOが「2018年内にデリカD:5をフルモデルチェンジする」と明言していますので、この先に新たな不祥事や大災害でもない限り、間もなく次期型が登場しそうです。

もっとも、この項の執筆時点(2018年8月上旬)ではまだティザーキャンペーンも何も行われておらず、次期デリカと思われる試作車のテスト走行が目撃されている程度。

しかし登場することは確かなので予想してみると、まず車名について、デリカD:5は『5代目デリカ』も意味していたので、これは変わらざるを得ないところです。

ビッグマイナーチェンジならそのままでも良いのですが、モデルチェンジと名言されている以上は、そして現在の三菱自動車にはデリカD:2(スズキ・ソリオのOEM)とデリカD:3(日産・NV200バネットのOEM)がある以上、命名規則はそのままの可能性が大。

そうなると『デリカD:6』となる可能性は高く、その名にふさわしいモデルチェンジを期待したくなります。

まず急務なのは、現在のデリカD:5には衝突被害軽減ブレーキすら装着されていないという最新の安全運転支援装備の欠如をどうにかすることです。

既に三菱には光学カメラと電波式レーダーを使った安全運転支援パッケージ『e-Assist』があり、衝突被害軽減ブレーキシステムや誤発進抑制、オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロール)はすぐ実装可能となっています。

気になるのは今のe-Assistには車線逸脱警報のみでステアリングアシストがないことですが、2018年夏予定と言われているアウトランダーPHEVのマイナーチェンジで追加されてくれば、デリカD:6(仮)にも実装されるはず。

そしてパワーユニットは、一応廉価版にガソリンエンジンは残され、おそらく2リッター、場合によってはエクリプスクロスの1.5リッターターボが搭載されますが、メインは売れ筋の直噴クリーンディーゼルターボ、2.3リッターの4N11はまだ新しいのでそのままで。

そして是非とも追加されていてほしいのがPHEVで、実現すれば国産車初の3列シートプラグインハイブリッド車が登場します。

アウトランダーPHEVは元々それほど広くないため大容量バッテリーと3列目シートの両立はできませんでしたが、デリカD:6(仮)ならクリアできるはずです。

4WDシステムはデリカD:5の『AWC』を発展させ、積極的にコーナリング安定性に介入するAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)を組み込んだ『S-AWC』がエクリプスクロスに搭載されましたから、デリカD:6(仮)にも搭載されるでしょう。

こうした最新装備を組み込んだ最新のSUVミニバンとして、『廉価版(ガソリンエンジン)』、『2.3リッタークリーンディーゼル』、『PHEV(プラグインハイブリッド)』の3バリエーションを基本に、デリカD:6(仮)は2018年11月登場!と大予想します。

ちなみに11月登場と細かく指定しているのは、毎年10~12月に発売している特別仕様車、『冬デリカ』シャモニーを同時発表できるからで、シャモニーと合わせた新車効果で話題をさらいたいところです。

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