ミニ – BMWによる歴史的名車の21世紀版

大英帝国が生んだ不朽の名車、偉大なる”ミニ”。2000年まで40年以上にわたり作られた後、現在はひと回りもふた回りも大きくなった最新型が走っていますが、そのブランドを保有するドイツのBMWによって、事実上その中身はドイツ車となっています。しかし姿形は変われど偉大なる”ミニ”は名前以外にも多くの伝統を受け継ぎ、今日も販売され続けています。

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各代の概要と時代背景

総合概要:偉大なる”ミニ”の21世紀版は、BMWのFF車ベースモデルという重要な役割も

1959年、BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)の名設計者、アレック・イシゴニスによって開発されたミニは、エンジンこそ古かったものの優れたパッケージングで走行性能と実用性を両立し、低燃費でもあった現在でいうスポーティなエコカーでした。

低迷していたイギリス経済、その自動車界の放った最後の光芒というべきミニは完成度の高さから後継車の存在を許さず、あるいは優れた後継車を作る余力がイギリス自動車界に無かったがゆえに、2000年までの長きに渡って作り続けられます。その41年にわたるモデルライフの中で数々の伝説と世界中に多くのファンを生んだミニは、単なる自動車の名前ではなく、ひとつの大ブランドと化していたのです。

合併や売却を繰り返すイギリス自動車界の中、ミニを最後まで生産していたローバーはすっかり疲弊しており、開発していた後継車を完成させる力も失われつつありましたが、それを”ミニ”というブランドごと買い取ったのがドイツのBMWです。

同じくドイツの高級車メーカーとしてライバル関係にあったメルセデス・ベンツとは異なりスポーティなセダンとその派生車種一本槍で大衆向けFF車を持たなかったBMWですが、あえてその名を冠さず”ミニ”のままでローバーの設計原案を元に新型FF車を完成させました。それが2001年、新世紀とともにデビューした21世紀の”ミニ”です。

ボディサイズは大きくなり、パワートレーンなども全て一新されたとはいえ、かつての”ミニ”が持っていた雰囲気をどことなく随所に残したニュー”ミニ”は人々に受け入れられ、世界中でヒット作になってバリエーションを増やして行きました。

さらに新しい”ミニ”には、それまでほとんどFR(フロントエンジン・後輪駆動)一本槍だったBMWにとって、SUVやミニバン、セダンのエントリーモデル用FF車のベースになるという重要な役割も持っています。

2018年まで3代にわたって作り続けられながら、BMW1シリーズや2シリーズのFF車のベースにもなっているミニは、今後もBMWの中で重要な役割を果たしつつ”ミニ”のブランドを守っていきます。

大型化しつつもオーソドックスなラインナップの初代R50/52/53(2001-2006)

1994年、旧ミニを生産していたイギリスのローバーをBMWが買収した当初、ローバーが開発中だったミニ後継車をそのままデビューさせる予定だったものの、ローバーの経営状況が想像以上に悲惨な状況だったこともあり、BMWはローバーの売却を決定します。

ただし、”ミニ”ブランドとミニ後継車の設計原案はしっかりBMWの手元に残した上で、ブランド戦略の都合からあえてBMWの名を冠さぬまま設計を煮詰め、2000年までミニの生産を続けたローバーを売却した翌2001年、全く新しいミニが発売されました。

基本的には1950年代末期の車で日本の軽自動車以下のサイズだった旧ミニから大幅にサイズアップ、ただし旧ミニのデザインテイストをよく残していたのが特徴で、たとえば大型のアナログ式センターメーターなどに伝統を残しています。

初代モデルのバリエーションは、まず”ミニ”ブランドの継承への専念とBMWとして慣れないFF車の量産ということもあり、後のミニを考えると比較的単純です。

R50:3ドアハッチバックのベーシック版(ワン、クーパー)
R52:2ドアコンバーチブル(クーパー、クーパーS)
R53:3ドアハッチバックの高性能版(クーパーS)

なお、グレード展開はその後のミニまで一貫して少々ややこしい設定になっており、ボディタイプとグレードは必ずしも一致せず、たとえば”ミニ・クーパー”といっても、「どのボディタイプのミニを指したクーパーなのか?」という話になるので注意が必要です。とはいえ、初代はまだ単純な方かもしれません。

ベーシックグレード”ワン”は旧ミニ・メイフェアに相当し、R50のみに設定です。ワンと同じエンジンながら制御変更でややハイパワー版の”クーパー”はR50とR52に設定され、旧ミニ以来伝統のグレードとなります。

”クーパーS”はこれも旧ミニにかつて設定のあった伝統の高性能版でR52とR53に設定、スーパーチャージャーによる出力向上を果たしたほか、R53には特別限定車で163馬力から218馬力にパワーアップ&軽量化した”withジョンクーパーワークスGPキット”もありました。

また、大きな違いはミッションにもあり、ワンとクーパーが5MTまたはCVTなのに対し、クーパーSは6MTまたは6ATとなっています。

ボディサイズが大きくなったとはいえ「小型軽量で走りのいいコンパクトハッチバック」なのは不変で、5ナンバーサイズに収まったことで日本でも旧ミニ同様、かつメカニズムが新しく信頼性が高いミニとして人気になりました。

さすがに旧ミニのようにサスペンションへラバーコーンは採用していませんが、このクラスとしては珍しくリアに路面追従性の高いマルチリンクサスを採用したことでの走りの良さは、その後のミニへ受け継がれる特徴となります。

(代表スペックと中古車相場

RE16 ミニ クーパーS (R53) 2002年式
全長×全幅×全高(mm):3,655×1,690×1,425
ホイールベース(mm):2,465
車重(kg):1,180
エンジン:水冷直列4気筒SOHC16バルブ ICスーパーチャージャー
排気量:1,598cc
最高出力:163馬力 / 6,000rpm
最大トルク:22.3kgm / 4,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:6MT
燃費(km/L):11.6(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)マルチリンク
中古車相場(各型全て):9万円~184万円(各型含む)

伝統を受け継ぐ派生車と共に、独自のバリエーションを築いた2代目R55/56/57/58/59/60/61(2006-)

2007年2月に日本で発売された2代目ミニは、デザイン上は”ミニ”ブランドを受け継ぐ至上オーダーのため超キープコンセプトで、むしろ「変わらない美学」を追求しているといわれるほどです。

ただし量産性やメンテナンス性、性能向上のため細部は変わっており、ヘッドライト一体で重く、バルブ交換も容易ではなかったボンネットはヘッドライトがボディ側に装着されたことで、軽く扱いやすくなりました。

その他にエンジンも一新されてクーパーSもスーパーチャージャーからターボ化され、クーパーも1.6リッターのままながらDOHCエンジンへ、ワンは逆にDOHCながら1.4リッターへ排気量ダウンされて、明確に差別化されています。

ミッションは信頼性に乏しかったCVTが廃止され、全車6MTまたは6ATに統一されましたが、右ハンドルMT車が少なくなっていた日本でも比較的安価に購入できるモデルの登場は”ミニ”ファンのみならず歓迎されました。

そしてこの代ではバリエーションが一気に拡大、全てが同時に発売されたわけではありませんが、伝統のモデルもあれば新世紀のミニにふさわしい野心的なモデルも追加されています。

R55:変則4ドアステーションワゴン「ミニ・クラブマン」
R56:ベーシックな3ドアハッチバック
R57:2ドア4シーターオープン「ミニ・コンバーチブル」
R58:独立トランクつき2ドア2シータークーペ「ミニ・クーペ」
R59:独立トランクつき2ドア2シーターオープン「ミニ・ロードスター」
R60:クロスオーバーSUV「ミニ・クロスオーバー」
R61:クーペルッククロスオーバーSUV「ミニ・ペースマン」

このうち、ベーシックグレードの”ワン”が設定されているのはハッチバック(R56)とクラブマン(R55)、クロスオーバー(R60)のみで、他は全モデルに”クーパー””クーパーS”およびカタログモデル化した最高性能版”ジョンクーパーワークス”が設定されています。

旧ミニ以来の伝統を引き継ぐのは「ミニ・クラブマン」で、旧ミニのステーションワゴン版「ミニ・カントリーマン」とよく似た観音開きテールゲートを持つほか、オリジナルでボディ右側のみ観音開きの前後ドアを持つのが特徴です。

なお、本来は「ミニ・クロスオーバー」が「ミニ・カントリーマン」の名で開発されましたが、日本では商標問題によりクロスオーバーを名乗っています。

いずれにせよ、ハッチバック、クラブマン、コンバーチブル以外は旧ミニにはなかったモデルで、2代目はこうした「新しいミニの価値観」を模索する代となりました。

(代表スペックと中古車相場

ME16 ミニ クーパーS (R56) 2007年式
全長×全幅×全高(mm):3,715×1,685×1,430
ホイールベース(mm):2,465
車重(kg):1,210
エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ
排気量:1,598cc
最高出力:175馬力 / 5,500rpm
最大トルク:24.5kgm / 1,600~5,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:6MT
燃費(km/L):14.4(※10.15モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)マルチリンク
中古車相場(各型全て):28万円~398万円(各型含む)

デザインテイスト不変ながら3ナンバー化、中身も最新な3代目F54/F55/F56/F57/F60(2013-)

日本では2014年4月から順次新型に切り替え、または新モデル追加・旧モデル整理廃止となっていった3代目ですが、ついにボディ全幅が日本の5ナンバー枠(1,700mm)を超え、3ナンバー化されました。

その他大きな変更としてホイールが4穴PCD100から5穴PCD112となり、2代目までのホイールが使えないだけでなく、国産車では一般的といえないPCDのため、乗り換えには注意が必要です。

また、旧ミニからの伝統だった巨大なアナログ式センターメーターが「センターディスプレイ」と名を変えたマルチインフォメーションディスプレイとなり、スピードメーターは普通の車と同じようなステアリング奥に変更されています。

時代の変化で車から表示する情報の増加に対応したものですが、それでも見かけ上のレイアウトを残したままインフォメーションディスプレイ化したのは、まさに伝統を守るための意地のデザインです。

モデル展開は、2代目で登場した新規なボディタイプのうち、「クーペ」「ロードスター」「ペースマン」は2015~2016年に1代限りで廃止され、以下のように整理・追加されました。

F54:ステーションワゴン「ミニ・クラブマン」
F55:5ドアハッチバック
F56:3ドアハッチバック
F57:2ドア4シーターオープン「ミニ・コンバーチブル」
F60:クロスオーバーSUV「ミニ・クロスオーバー」

グレードは全車に”ワン”、”クーパー”、”クーパーS”、”ジョンクーパーワークス”が設定されています。このモデルチェンジで「クラブマン」は大型化、観音開きテールゲートは健在なものの、本格的な5ドアステーションワゴン化し、「クロスオーバー」もBMW X1の兄弟車として、姿かたちはミニなものの、他モデルとは一線を画すサイズになりました。

エンジンは”ワン”(1.2L)と”クーパー”(1.5Lターボ)がPSA(プジョーシトロエン)と共同開発した3気筒DOHCエンジン、”クーパーS”と”ジョンクーパーワークス”(2Lターボ)がBMWのDOHCツインスクロールターボエンジンです。

BMWの1.5L / 2Lディーゼルターボエンジンも搭載されるようになり、通常版が”クーパーD”、高性能版が”クーパーSD”を名乗ります。また、ディーゼルエンジン搭載車や”ジョンクーパーワークス”のAT車は6ATから8ATへ順次更新されました。

(代表スペックと中古車相場

XMJCW ミニ ジョンクーパーワークス (F56) 2017年式
全長×全幅×全高(mm):3,875×1,725×1,430
ホイールベース(mm):2,495
車重(kg):1,250
エンジン:水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ
排気量:1,998cc
最高出力:231馬力 / 5,200rpm
最大トルク:32.6kgm / 1,250~4,800rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:6MT
燃費(km/L):14.8(※JC08モード燃費)
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)マルチリンク
中古車相場(各型全て):99.9万円~518万円(各型含む)

各代の新装備

旧ミニのリメイクを主眼とした新ミニだけに、メカニズム面で新しさを強調するより、古くて新しいデザインが大事なため、意外と「新装備」と呼べるものはそう多くありません。その中でもいくつか紹介しましょう。

サンルーフ機構つき電動トップを持つ初代コンバーチブル

新しい初代ミニは旧ミニ以来のオーソドックスな2BOXボディでしたが、旧ミニでは2台しか作られなかったといわれるハッチバックが標準で、その点では「ミニとしては斬新」(旧ミニは基本、独立トランク)でした。

もうひとつ斬新だったのはコンバーチブルで、旧ミニでもボディ剛性不足を指摘されながら一時期存在はしたものの、新ミニはもちろんBMWによって作られたしっかりしたボディに、15秒で開閉可能な電動ソフトトップが備えられています。なお、この電動トップは前端部のみの開閉も可能で、”サンルーフ機構”と称していました。

ミニ初の4WDを採用した2代目

2代目もバリエーションの多彩さの割にはメカニズム的に地味でしたが、ここでも「ミニとしては斬新」だったのが、電子制御4WDの追加です。

そもそも旧ミニでは”ミニ・モーク”というビーチバギー風のモデルはあったものの4WDは設定されませんでしたが、新ミニ2代目の”ミニ・クロスオーバー(海外名ミニ・カントリーマン)”はクロスオーバーSUVなだけに、当然4WDモデルを設定しました。

“MINI ALL4”という電子制御4WDでしたが、面白いことに2WDベースの4WDが通常の主駆動輪への100%駆動~前後50:50の駆動配分を行うところ、この”MINI ALL4”は100:0~0:100、つまりFFベースなのに理屈の上ではFRにもなります。

ついに電子制御化が進んだ3代目

いかに「古くて新しいデザインを守る」ことが課題のミニとはいえ、避けられないのが環境面や安全性能向上のための新技術投入で、3代目からはクリーンディーゼル車が日本市場にも大々的に投入されました。

さらに、衝突被害軽減ブレーキやアクティブクルーズコントロールなど、センサー類を多用した電子制御による安全運転支援デバイスが続々投入、外からは見えないところで確実にミニもハイテク化が進んでいます。

モータースポーツで活躍した新世代ミニ

旧ミニに引き続き、サーキットなど多様なステージのモータースポーツで活躍する新ミニですが、やはりメジャーなところではラリーでの活躍が目立ちます。

特に2代目新ミニ・カントリーマン(日本名クロスオーバー)をベースとしたラリーマシン、”ミニ・ジョンクーパーワークスWRC”でWRC(世界ラリー選手権)に参戦したのは話題を集め、2011年からの参戦でWRCの最上位は2位に終わったものの、その後もスペインやチェコの国内ラリーなど国別の選手権で活躍しました。

また、同じく2011年からBMW X3にミニ・カントリーマンのボディを載せたマシンでダカールラリーを戦い、2012~2014年まで連勝して「砂漠の王者」という思わぬ称号を得ています。

次期大予想

2001年に新世代ミニとしてBMWの手で生まれ変わって以来、基本デザインこそ不変なものの、5~7年で代替わりを果たしていますが、目下の課題は「全世界で盛り上がる電動車への波」です。

2040年代までに少なくとも欧州では内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン)オンリーの車が販売できなくなり、古い車の乗り入れ規制区域も増えると予想される中にあっては、2020年代にそうそう内燃機関の車ばかり売ってはいられません。

そのためか、同じく名車リメイク版のVW ビートル(ニュービートルおよび2代目のザ・ビートル)は後継車も無く2010年代末で一旦その幕を下ろすようですが、ミニはBMWにとって重要な「FF車ベース」ですので、作り続ける必要はあります。

そのために2017年には歴代ミニで初のハイブリッド、それもPHV(プラグインハイブリッド)版はミニ・クロスオーバーで登場しており、EV版のテストカーも目撃されるようになりました。

4代目への移行は早ければ2019年頃には始まりそうですが、発表はもう少し早くなり2018年中、そしてEV版やHV版、さらに本格的な電動車時代到来の中、モーターアシスト程度でもっとも普及させやすいマイルドハイブリッド版が、ズラリと並ぶことになりそうです。

当面は従来通りの内燃機関搭載車も販売されますが、ミニのデザインテイストを守りながら、いかに実用性を損なうことなく電動化していくかが課題になると思われます。

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