スズキ スペーシア – 軽自動車トップ奪回を目指すスズキ版軽スーパーハイトワゴン

軽自動車の売れ筋は1990年代から背の高い軽ハイトワゴン、2000年代以降はさらに背が高く後席スライドドアを持つ軽スーパーハイトワゴンがトップクラスであり、登録車まで含めた『日本でもっとも売れている車』となっています。そこで長いことダイハツ タントやホンダ N-BOXの後塵を拝してきたスズキが、かつての軽No.1メーカーの威信をかけて猛追している軽スーパーハイトワゴン、それがスズキ スペーシアです。

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各代の概要と時代背景

総合概要:ワゴンRで新境地を開くも、軽スーパーハイトワゴンでやや出遅れたスズキ

2018年9月現在の軽自動車でヒット作といえば、ほぼ漏れなく『背が高く、後席にスライドドアを備えて派手なメッキグリルを持つ豪華な軽スーパーハイトワゴン』と決まっています。

その大きな流れの原点は、1993年にスズキが発売して瞬く間に大ヒットとなった軽ハイトワゴン『ワゴンR』にあり、軽自動車を独自生産していたメーカー各社はこぞってワゴンRフォロワーとなる軽ハイトワゴンを開発、これに追随しました。

その結果、かつて初代スズキ アルト(1979年)以来続いてきた安価で取り回しやすいシティコミューター的な軽ボンネットバンや、税制改正後に主力となったそのセダン(乗用5ナンバー)版は、最量販となるベーシック車種の座を滑り落ちます。

つまり各社横並びで『ワゴンRのような』軽ハイトワゴンがベーシックモデルという時代が1990年代後半から2000年代はじめまで続いたのですが、最初に大ヒットモデルとなったワゴンRのブランドは強く、長らく同車が軽自動車販売No.1という時代が続いたのです。

その状況が変わったのは初代ワゴンRデビューから10年経った2003年、初代ダイハツ タントの登場でした。

ワゴンRやそのダイハツ版フォロワー、ムーヴよりもさらにエンジンルームを短く、キャビンを長く、そして高くした初代タントは『ワゴンRより広い車』としてファミリー層から圧倒的な支持を受け瞬く間にワゴンRから軽自動車販売台数No.1の座を奪取します。

タントはさらに2007年デビューの2代目で助手席側はBピラーごと開き、助手席ドアとともに開ければ大開口部を実現する後席スライドドアを採用、アドバンテージを拡大しますが、販売台数で差をつけられてもライバルの動きは鈍いものでした。

スズキも2008年に初の軽スーパーハイトワゴン、パレットを発売しますが、フロントマスクのデザインが迫力不足、スライドドアの開口部がタントほどではない、という現実に、OEM供給していた日産 ルークスともども少々地味な存在になってしまいます。

結局『打倒タント』は大型メッキグリルなどタントカスタムにも劣らない迫力マスクを持った初代ホンダ N-BOX(2011年発売)が果たしますが、パレットを全面的に見直したスズキもそれに続こうとしたのが初代スペーシア(2013年発売)です。

初代スペーシアはタントとN-BOXによる激しい『軽自動車販売台数首位争い』に埋もれて引きづ好き存在感はやや薄めでしたが、3代目タントのモデル末期に登場した2代目(2018年)で、ようやくN-BOXに次ぐ軽自動車No.2に成長、N-BOXを激しく追撃しています。

パレットから心機一転!打倒タント・N-BOXを目指した 初代MK32S/42S(2013-2018)

2013年3月、初代スペーシア発売(発表は同年2月)。

当初は2008年1月に発売したパレットの2代目として開発されていましたが、試作車の出来栄えを見た関係者が「これほど広くなったのなら、それを前面に押し出してアピールできる車名にしよう!」とスペーシアに改名されたいきさつを持ちます。

スズキ初の軽トールワゴンだったパレットは2代目ダイハツ タントから1か月後のデビューだったものの、売りだったロングホイールベースはタントより短く、車内スペースは高さを除き完全に劣り、Bピラーごと開いて開口部の広いスライドドアなど『飛び道具』も皆無でした。

つまり、細かい面での使い勝手の差を除けば後発であるにも関わらずタントに勝る面があまりにも乏しかったためモデルライフ全般を通して地味な存在となってしまい、スズキとしては打倒タントを目指して相当気合の入った全面改良を施したわけです。

その結果、初代スペーシアのデビュー当時にモデル末期だった2代目タントよりはるかに広かったのはもちろん、間もなく(2013年10月)デビューした3代目タントにも幅以外は遜色ない車内スペース確保に成功。

部品単位での軽量化によってタントより軽く、回生エネルギーで車内電装品の電力をまかなうマイルドハイブリッドシステム採用でエンジンを効率化して燃費や走りはタントを上回り、経済性も高めます。

小さな子供連れファミリー層を強く意識して、ベビーカーの積み下ろしや買い物袋を下げたままの開閉に便利なプッシュボタン式の電動スライドドアや、ティッシュなどの小物入れも多数配置するなど使い勝手も良くなり、商品性は素晴らしく向上しました。

ただし、それに先立つ2011年にはホンダから初代N-BOXが登場して大ヒット、タントも打倒N-BOXを目指してメッキ多用の派手な外装を施したカスタムシリーズで対抗しており、それに比べるとスペーシアはややデザインが地味というレベルに留まります。

ラインナップは通常版の『スペーシア』のほか、ヘッドランプやフロントグリルなどで精悍な顔つきとした『スペーシアカスタム』を2013年6月に追加し、エンジンは新型のR06AをNA(自然吸気)、ターボともにラインナップ。

問題だったのは『スペーシアカスタム』のデザインが迫力不足だったことで、何度か設定された特別仕様車で装飾追加などを試みたものの根本的な解決策とはなりません。

結局、モデル末期の2016年12月に思い切ってボンネットを水平に近い角度まで上げて大型フロントグリルを採用、N-BOXカスタムやタントカスタムに準じたデザインの『スペーシアカスタムZ』が登場、これが2代目スペーシアカスタムのパイロットモデルとなります。

なお、燃費は元より最良でも20km/L台後半に留まるライバル車を上回り、30km/L近い低燃費を記録していましたが、2015年5月のマイナーチェンジでマイルドハイブリッドシステムを一新、ついに大台を超え最良で32.0km/Lに達しました。

若い独身ユーザー向けとしてはアピールポイント不足で苦戦した初代スペーシアでしたが、経済性や使い勝手の高さといったファミリー層へのアピールはライバルを上回る面もあって、先代にあたるパレットよりは抜群の存在感を発揮できました。

代表スペックと中古車相場

スズキ MK32S スペーシア T 2013年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,735
ホイールベース(mm):2,425
車重(kg):870
エンジン:R06A 水冷直列3気筒DOHC12バルブ ICターボ
排気量:658cc
最高出力:47kw(64馬力) / 6,000rpm
最大トルク:95N・m(9.7kgm) / 3,000rpm
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)I.T.L
中古車相場:25万~186万円(スペーシアカスタム、スペーシアカスタムZ含む)

面目一新!スズキが本気でデザインと広さを追求した 2代目MK53S(2018-)

2代目スペーシアは2017年9月の東京モーターショーで市販車同然の参考出品車が多数展示された後、同年12月に発売。
なお、車椅子移動車のみ2018年2月とやや遅れましたが、それ以外は『スペーシア』『スペーシアカスタム』同時にモデルチェンジされ、すっかりアグレッシブデザインとなったカスタムによって不要となったカスタムZは廃止されました。

まず特徴的だったのは、車名の通りスペース効率を追求したことがひと目でわかりやすいよう、角の落とされた『ハコ』で構成された外観。

大型グリルに薄目ヘッドライトでライバルに負けない迫力を手に入れたカスタムだけでなく、通常版もほぼ水平のボンネットとメッキフロントグリル、開口部の大きな大型フロントバンパー、そして角を落とした四角い大型ヘッドライトでのインパクトは抜群でした。

かつて、ミニバンやハイトワゴンといえば派手さは『カスタム』的なモデルが担当し、通常版は中性的なデザインでしたが、2017年頃から通常版のカスタム化、カスタムのさらなるアグレッシブ化が進んだという流行に沿った外観デザインを採用しています。

寸法そのものもルーフ前後長拡大による容積拡大、ホイールベース延長による前後席間隔の余裕や、ライバルに劣っていた車内幅もドアトリム形状の工夫で拡大に成功し、着座位置を高めたことで各席の視覚的ゆとりを向上させるなど、快適性は飛躍的に高まりました。

さらに全車マイルドハイブリッド化したものの各部の寸法拡大による重量増加で燃費は若干低下していますが、最良で30.0km/Lとライバル中最高の燃費を誇るのは変わらず、これまでの優位点を活かしネガティブ面を徹底的に潰しています。
いわば『ライバルより少々出遅れ、ユーザー層の把握も含めて軽スーパーハイトワゴンのあり方を模索していたスズキ』がようやく見つけた流行に沿う最適解的が2代目スペーシアです。

2代目ホンダ N-BOXのように安全運転支援パッケージの全車標準装備化など安全性をアピー、『日本で一番売れている車』として爆発的大ヒットしたほどではありませんが、他のライバルを抑えて発売以来3位以下を引き離す軽販売台数2位にあります。

もっとも、タントが早ければ2018年中にもモデルチェンジ予定なため、N-BOXも含め三つ巴の戦いはこれからますます激しくなりそうです。

代表スペックと中古車相場

スズキ MK53S スペーシア ハイブリッドX 2018年式
全長×全幅×全高(mm):3,395×1,475×1,785
ホイールベース(mm):2,460
車重(kg):870
エンジン:R06A 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
排気量:658cc
最高出力:38kw(52馬力) / 6,500rpm
最大トルク:60N・m(6.1kgm) / 4,000rpm
モーター型式:WA05A 直流同期電動機
モーター最高出力:2.3kw(3.1馬力)
モーター最大トルク:50N・m(5.1kgm)
バッテリー種類:リチウムイオン電池
バッテリー個数:5
バッテリー容量:10Ah
乗車定員:4人
駆動方式:FF
ミッション:CVT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)トーションビーム
中古車相場:105万~220.8万円(スペーシアカスタム含む)

各代の新装備

初代

実質的な2代目パレットとしてその基本構成が継承されている初代スペーシアですが、ライバルに対し高い商品性で対抗するため、パレットでは一部採用となっていた装備が全車標準装備となったり、ワゴンRで先行した新技術も投入されました。代表的な新装備は以下の通り。

・新型エンジンR06A(NA、ターボともに)
・改良型アイドリングストップシステム
・マイルドハイブリッドシステム『エネチャージ』(後に『S-エネチャージ』へ発展)
・アイドリングストップ時冷房『エコクール』
・レーダーブレーキサポート(メーカーオプション。後に『デュアルカメラブレーキサポート』へ発展)
・引き出し式ロールサンシェード(リアドアトリム内蔵)
・ワンアクションパワースライドドア
・全方位モニター(2015年5月以降)
・クルーズコントロール(ターボ車に2015年8月以降)
・7速マニュアルモード付きパドルシフト(同上)
・ディスチャージヘッドランプ(カスタムZ)

このうち、『改良型アイドリングストップシステム』は、パレットで一部採用されていたものを改良、13km/h以下まで減速時にアクセルペダルを離すと燃料供給停止、ブレーキを踏むとエンジン停止、ブレーキペダルを離すかハンドルを動かすと再始動する新型。

『エネチャージ』はオルタネーター(発電機)の高出力化で減速時に発生したエネルギーをリチウムイオンバッテリーに蓄電し、社内のオーディオやメーターなど電装品を動かして、走行中のエンジンに発電の負担を低減させ、燃費向上に貢献するマイルドハイブリッド。

2015年5月(車椅子移動車は6月、ターボ車は8月)には、オルタネーターにモーター機能も持たせた『ISG』をリチウムイオンバッテリーで駆動、最長30秒間、発進から85km/h(ターボ車は100km/h)までエンジンをモーターアシストする『S-エネチャージ』に進化。

エンジンに負担がかかり燃費悪化の要因となる発進から巡航までの間をモーターで負担軽減し、最良32.0km/Lとライバル中最良の低燃費を実現しました。

さらに低燃費スペシャルなだけでなく快適性も重視、アイドリングストップ時でも蓄冷剤を使って冷風を出す『エコクール』で、エンジンの再始動を極力避ける配慮もなされています。

『レーダーブレーキサポート』はレーザーレーダーを使って衝突被害軽減ブレーキと誤発進抑制機能を実装し、エマージェンシーストップシグナルとESPを組み合わせた安全運転支援パッケージ。

2015年5月のマイナーチェンジでレーダーからステレオカメラ式光学センサーに変更するとともに、光学カメラ化された事を活かして車線逸脱警報、ふらつき警報、先行車発進お知らせ機能も装備可能となっています。

2代目

まだデビュー間もない2代目スペーシアには、初代後期からの延長線として以下の新装備が加わりました。

・マイルドハイブリッドシステム(S-エネチャージの発展型)
・パワーモード付きCVT(副変速機を廃止した新型)
・デュアルセンサーブレーキサポート(デュアルカメラブレーキサポートの発展型)
・後退時ブレーキサポート
・フロントシートSRSサイドエアバッグ(パレット以来の復活)
・SRSカーテンエアバッグ(ハイブリッドXSターボに標準装備)
・LEDヘッドランプ(カスタム)
・スライドドアの閉動作中『予約ロック機能』および『一時停止機能』
・フロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイ(全方位モニター用カメラパッケージ)
・侵入禁止標識認識機能(全方位モニター用カメラパッケージ)

このうち、マイルドハイブリッドは『S-エネチャージ』のISGで最長10秒間のクリープ走行を可能にしているほか、パワーモード採用によるモーターアシスト強化でパレット以来採用していたCVTから副変速機を廃止できました。

安全運転支援パッケージ『デュアルセンサーブレーキサポート』は、『デュアルカメラブレーキサポート』のステレオカメラをレーザーレーダー&単眼カメラに変更したもので、光学カメラで視認できない状況でも衝突被害軽減ブレーキの作動をサポート。

さらに超音波センサーをリアに追加して、後退時の誤発進や衝突を防ぐ『後退時ブレーキサポート』を実装しています。

派生型

2代目 / 3代目マツダ フレアワゴン(初代 / 2代目ベース)

スペーシアの先代にあたるパレットは日産にもルークスとしてOEM供給していましたが、そちらは三菱との合弁会社NMKVで生産するデイズルークスが後継となったのでスズキからのOEMはなし。

マツダへのOEM供給は初代フレアワゴン(パレット)同様に継続し、特に車名変更の必要性はなかったのか初代 / 2代目スペーシアが2代目 / 3代目フレアワゴンとして販売されています。

なお、スペーシアの相違点として、通常版のフレアワゴンに対し、スペーシアカスタムに相当するのは『フレアワゴン カスタムスタイル』と名前が少々異なるほか、スペーシアカスタムZに相当するモデルはフレアワゴンに設定されません。

また、通常版のターボ車とカスタムスタイルの廉価グレードは設定されず、グレードごとの装備内容も若干異なっています。

次期モデル大予想

2017年12月に発売された2代目スペーシアは、この項を書いている2018年9月現在でまだデビュー1年未満。

そこでまずは2代目のマイナーチェンジから予想しますが、最大のライバルであるホンダ N-BOXの独走を止めつつ、2018年中のモデルチェンジが予想される次期ダイハツ タントに対処すべく、まず2018年末から2019年にかけて装備充実の特別仕様車を設定。

2019年末には最初のマイナーチェンジで、現在は登録車のスイフトやソリオにしか搭載されていないフルハイブリッドシステムを搭載してくるのではないでしょうか。

このフルハイブリッドは今までのマイルドハイブリッドやS-エネチャージのIGS(モーター機能付きオルタネーター)とは異なり専用のMGU(駆動用モーター)を持ち、市街地でのEV走行が可能となっています。

スペースの制約からバッテリーは小さくなるためEV走行距離は短くなるものの、モーターアシストとの組み合わせでシフトチェンジ時の空走距離をなくせるAGS(オートギアシフト)との組み合わせで燃費を伸ばせるなら、価格が上昇しても投入する価値はあります。

何より、デザインを大幅変更してもN-BOXに販売台数でまだ大きく水を開けられている上に、次期タント登場とその完成度によっては軽自動車販売台数2位の座も危うくなるだけに、スズキならではの『飛び道具』は必ず必要になるはずです。

それ以外の変更はアイドリングストップ時間の延長、装飾追加でさらに派手にアグレッシブにと比較的『小手先』に終始しながら2代目を作り続け、パレット以来おおむね5年サイクルのモデルライフと考えれば3代目デビューは2022年12月頃。

何しろそこまで軽スーパーハイトワゴン以上に『革命』が起きる様子は最近のモーターショーを見ていても特に感じられないため、デビューは確実でスズキでも精力的な開発が進んでいるはずです。

パッケージングなどハード面での進化はトヨタとの協業によるEV化が考えられますが、ダイハツとの差別化をどうするかという疑問はありつつも、将来的な電動化社会、そして電動車と親和性の極めて高い自動運転を実装していくため、EVスペーシアは登場するはず。

まだ高価で一般向けの段階ではないかもしれませんが、より進化した安全運転支援システムを搭載したEVスペーシアをイメージリーダーとして、フルハイブリッドが標準となった3代目スペーシア / スペーシアカスタムは2022年12月発売!と大予想させていただきます。

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