ホンダ ヴェゼル – ついに日本でコンパクト・クロスオーバーSUVをヒットさせた先駆者

現在世界中で大人気のクロスオーバーSUVですが、こと日本国内におけるコンパクトカー分野では長いこと大きな伸びが見られませんでした。ホンダも1998年に当時のコンパクトカー、ロゴをベースにHR-Vを販売しますが日本国内では大きく伸びず2006年に撤退、しかし2013年にフィットをベースに再参入し、今度こそ人気車種となったのがヴェゼルです。

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ヴェゼルの概要と時代背景

日本では不振に終わったHR-Vから再チャレンジで成功したコンパクトSUV

1990年代半ば、トヨタのRAV4や初代ハリアー(レクサスRX)、ホンダのCR-Vによって人気となったのが、クロスオーバーSUVです。

それまでのSUVとは、頑丈なフレームの上に無骨なボディをトラックのように架装し、効率は良くないものの信頼性が高い機械的な4WDシステムによって成り立っていた本格オフローダーの『クロカン4WD(クロスカントリー4WD)』の事でした。

第2次世界大戦で活躍したジープを始祖とするこのジャンルは、長らくその特殊性から一般用途というより、必要性にかられる組織や個人、マニア向けの車として生産・販売されてきましたが、1982年に初代三菱 パジェロがヒットしたことにより、状況が変わります。

無骨な姿はファッションとなり、それでいて内装は乗用車のように豪華で快適、しかもいざとなれば頼りがいがある悪路走破性を持つクロカン4WDは『RV(レクリエーショナル・ビークル)』と呼ばれてバブル時代まで大ヒットとなりました。

しかし、バブル崩壊で日本経済が大きく沈み、RV車の維持が困難になってくると、ユーザーは「格好はともかく、何もこんな本格オフローダーはいらないじゃないか」と思い始めます。

そこで、セダンやハッチバック車など普通の乗用車をベースにオフローダー風の外装に仕立て、ちょっと高い最低地上高と生活4WDシステムを組んで、あるいは2WDのままで販売すると、安くて快適でいざとなれば頼りになりそう(な気がする)として大ヒット。

これは当初『シティオフローダー』と呼ばれましたが、やがて『クロスオーバーSUV』という呼び名が定着していきます。

しかし、クロスオーバーSUVは快適性を求めると最低でも1.6~1.8リッタークラス以上の乗用車をメインに、オフローダー風のボディと4WDシステムを与えると重くなって2リッター以上の車がメインでした。

そこに1998年、ホンダは当時販売していた1.3~1.5リッタークラスのコンパクトハッチバック車『ロゴ』をベースにした1.6リッターエンジン搭載のコンパクト・クロスオーバーSUV、HR-Vを発売します。

しかし、HR-Vは発売当初、当時既に日本では不人気の3ドアのみだったこと、1.5リッター車よりわずかに排気量が大きいだけで自動車税が高い1.6リッター車だったことから、海外ではともかく日本市場での販売は全く振るいませんでした。

そのため日本では2006年に販売終了して以降ホンダはコンパクトSUVから撤退、他社も同ジャンルに参入してはヒット作を生み出せず、コンパクトなクロスオーバーSUVは日本で成り立たない、という状況が長らく続きます。

しかし2013年、3代目フィットをベースに新開発したヴェゼルでホンダがこのジャンルに再参入するやヒット作となり、このクラスでもクロスオーバーSUVが人気になることが証明されたので、後にマツダ CX-3やトヨタ C-HRというフォロワーも生み出しました。

日本で初めてコンパクト・クロスオーバーSUVのヒット作となった、初代 RU1/2/3/4型(2013-)

2013年12月に発売され、コンパクトかつ低燃費で走りも良いコンパクトSUVとして、早速ヒット作となりました。

基本的には3代目フィットをベースに最低地上高を上げてクーペルックのスポーティなSUVボディを載せ、重心が上がった分の安定性を得るため全幅を拡大して3ナンバーボディ化したものです。

2014年2月にリコールが出たのを皮切りに、主にハイブリッド車の7速DCTの作動や耐久性に関わる3代目フィットシリーズのトラブルに巻き込まれ、そのたびにリコールや出荷程度を繰り返しますが、それでも人気車種の地位は動きませんでした。

事実上のライバル不在ということもあり、2014年から2016年までのSUV販売台数ではトップを快走し、トヨタからC-HRが発売されるまでその独走を誰も止められなかったのです。

2016年2月には安全運転支援システムを『シティブレーキアクティブシステム』から最新の『ホンダセンシング』に切り替えたことで衝突被害軽減ブレーキなどの精度も上がり、現在でも安全性が高く走りの良い安価なクロスオーバーSUVとして評価されています。

パワーユニットは1.5リッターエンジンを中心にしたハイブリッドシステム『ホンダi-DCD』、または高回転高出力型の1.5リッターi-VTECの2種類で、国産コンパクトSUVの中では唯一、ハイブリッドシステムと4WDを両立しました。

また、4WDシステムも過去のホンダ4WDと異なり電子制御式で高速走行やコーナリング時の安定性に配慮されており、新時代のコンパクトスポーツカーと呼ぶのにふさわしい内容となっています。

ボディもスポーツ性が高いクーペルック5ドアハッチバックですが、全幅を広げたことでベースの3代目フィットや他のフィットシリーズと比べロー&ワイドでもっともスポーティ。

ライバルのトヨタ C-HRとは異なり後席の快適性までは犠牲にしておらず、国産コンパクトSUVとして前後席の快適性とデザインの両立は現在でもトップクラスです。

代表スペックと中古車相場

ホンダ RU3 ヴェゼル ハイブリッドRS ホンダセンシング 2018年式
全長×全幅×全高(mm):4,340×1,790×1,605
ホイールベース(mm):2,610
車重(kg):1,310
原動機型式:LEB-H1
エンジン:LEB 水冷直列4気筒DOHC16バルブ i-VTEC
排気量:1,496cc
最高出力:97kw(132馬力) / 6,600rpm
最大トルク:156N・m(15.9kgm) / 4,600rpm
モーター:H1 交流同期電動機
最高出力:22kw(29.5馬力)
最大トルク:160N・m(16.3kgm)
バッテリー:リチウムイオン
燃費:25.6km/L(JC08モード)
乗車定員:5人
駆動方式:FF
ミッション:7速DCT
サスペンション形式:(F)ストラット・(R)車軸式
中古車相場(各型全て):138.8万~362万円(各型含む)

各代の新装備

初代

基本的にはベースとなった3代目フィットとほぼ共通のメカニズムで、基本装備も同一です。

ハイブリッドシステムは初期のホンダハイブリッド車が採用していた、モーターアシストのみで実質的にマイルドハイブリッドでしかなかった『ホンダIMA』とは異なり、新世代のコンパクトカー用ハイブリッドシステム『SPORT HYBRID i-DCD』を採用。

これはドイツのシェフラー社製システムを基幹とした7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)に、駆動と発電を兼ねるモーターを仕込んだ、ホンダ独自の1モーター式ハイブリッドシステムです。
エンジンでの駆動と減速時のモーター発電、モーターでの駆動、エンジンでの駆動とモーターアシストとモードの切り替えはエンジン側とモーター側それぞれにあるクラッチを接続 / 切断することで行うシンプルなもの。

基本的には昔ながらのエンジンのみで走る自動車の駆動系を流用し、その間にクラッチで繋いだり切ったりできるモーターを仕込んでいるだけなので、モーター駆動による電気式ではない従来型の機械式4WDをそのまま設定できるのが、トヨタ式ハイブリッドとの大きな違いです。

リチウムイオン・バッテリーが続く限りという限定的なものではありますが、高回転高出力型i-VTECの1.5リッターガソリンエンジン版よりハイブリッド版の方がシステム出力は強力になっています。

ただし、エンジンとモーターの駆動切り替えには体感できるほどのタイムラグがあるため、スペックから想像するほどスポーティな走りをするというよりは、あくまで高速巡航時の余裕ある動力性能と、低速走行時の低燃費を両立したものと考えるべきところです。

より特徴的なのはヴェゼル独自の電子制御式リアルタイム4WDで、リアへのトルク配分を増した設定により、FFベースの4WDでありながらFR的とも言える素直なハンドリングを実現しました。

安全運転システムは、当初5~30km/hでのみ作動するレーダー式の『シティブレーキアクティブシステム』のみでしたが、2016年2月の改良で単眼カメラとレーダーを併用し、衝突被害軽減ブレーキの精度を高めた『ホンダセンシング』に切り替わっています。

センサーの更新でより実用的になったほか、カメル追加により車線逸脱の監視や警報、歩行者との衝突回避を支援するためのステアリングアシスト、先行車との車間距離を保ちながら巡航できるアダプティブ・クルーズコントロールなど多機能になりました。

派生型

ヴェゼル自体が3代目フィットの派生車であり、そこからさらに派生したモデルは日本国内では販売されていないのですが、参考までに海外のヴェゼル(海外名HR-V)派生型をご紹介します。

ホンダ XR-V(日本未発売)

中国向けの派生モデルで、ヴェゼルをベースにCR-Vの弟分的な要素を持たせ、やや角ばったデザインに変更されています。

ハイブリッドは設定されておらず、1.5リッターと1.8リッターのガソリンエンジンのみではありますが、ガソリンエンジン車はCVTのみの日本仕様ヴェゼルと異なり、6速MTも設定されているのがMT派にはうらやましいところです。

アキュラ CDX(日本未発売)

こちらも中国向けで、日本では展開していないホンダの高級車ブランド『アキュラ』版ヴェゼルで、日本でいえばトヨタ C-HRのレクサス版、レクサスUXのような車ですが、寸法はホイールベースも含めヴェゼルより一回り大きくなっています。

パワーユニットはシビックと同じ1.5リッターVTECターボが搭載され、海外のホンダ車では多用されているトルコン付きの8速DCTとの組み合わせでスポーティかつ効率的な走りを実現しているほか、高級感を増した内外装となりました。

次期モデル大予想

2013年に発売されて5年目、そろそろ新型へのモデルチェンジが気になってくるヴェゼルですが、基本的にはフィットベースのSUVである以上、まずはフィットのモデルチェンジが先行して2019~2020年頃と見込まれており、ヴェゼルはその後2021~2022年頃になりそうです。

パワーユニットが大きく変更されると言われており、ガソリンエンジン仕様は既に海外版のシビックで採用され、小排気量ながら走りには定評のある1リッター3気筒VTECターボ『P10A』が採用されます。

ホンダにはこの上に1.5リッターVTECターボもありますが、これは2018年8月発売の新型CR-Vに搭載されますから、差別化の意味でもヴェゼルへの搭載はまずありえず、1リッターVTECターボ、あるいは1.5リッター自然吸気VTECとなるはずです。

ハイブリッド仕様もスペック上は低燃費と走りの良さを実現しつつ、日本のような高温多湿地域での耐久性には不安があり、エンジン / モーターの切り替えにもタイムラグが指摘されるi-DCDを廃止し、ステップワゴンなどと同じ『i-MMD』になるというのがもっぱらの予想。

これは2モーター式で駆動と発電を別々に担当、通常の走行ではモーターがメインでエンジンは発電にしか使わない(日産e-POWERのような)シリーズ式HVに近いのですが、エンジンで走った方が効率の良い高速巡航ではエンジン駆動に切り替わり、随時モーターアシストが入ります。

つまりエンジンとモーターの良いとこ取りをして、ハイブリッドとしてはかなり効率の良いシステムなのですが、それゆえ低コストなシステムではないため、果たしてフィットシリーズに採用されるのか?という疑問も出るところです。

新型CR-Vでi-MMDにも電子制御リアルタイム4WDを組み合わせられたので、ヴェゼルにも同様のシステムが搭載されてもおかしくはないのですが、低価格コンパクトカー向けに低コスト化した別の、簡易型i-MMDと呼ぶべきシステムが採用されるかもしれません。

その他クロスオーバーSUVとしての内容は、特に変更する必要性は出てこないので現行のクーペルックSUVから、ほぼキープコンセプトと言って良いでしょう。

2021~2022年登場の2代目ヴェゼルは、1リッターVTECターボと、同じエンジンを使ったi-MMD(またはその簡易型)ハイブリッド版と予想させていただきます。

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